株式投資に目覚めた群馬の至宝

株式投資と柴犬実成(さねしげ)の成長日記

バフェットとソロス勝利の投資学

   

出典:amozon.co.jp

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最強の投資家に共通する23の習慣

本書のテーマは以下の3つに大別できます。

世界で最も著名な投資家、バフェットとソロスの投資哲学や投資戦略はどのようなものか、②投資哲学や投資戦略の背景にあり、両者に共通する「習慣」は何か、③そうした習慣を一般投資家が身につけるにはどうしたらいいか。本書が特にユニークなのは、バリュー投資家(バフェット)とトレーダー(ソロス)という一見対極にあるスタイルを持つ2人に共通する要素を抽出している点です。

この本の根幹を成す主張は、「誰かが上手くやれることであるなら、他人も上手い人の習慣を学ぶことで必ずできるようになる」という著者の信念です。神経言語プログラミングを学んだ著者は、「正しい知的習慣を持つかどうかが、あなたのやることを全てにおいて成功か失敗かを決める」というように、成功は共通の知的習慣がもたらすという前提に立っています。

バフェットとソロスの投資手法

バフェットの手法は「質の良い事業を価値を下回る価格で購入する」と要約でき、「事業の質」こそが、バフェットが分析する対象となります。バフェットによれば、株価は事業の質とは無関係ですので、株価が下がったということは値引率が大きくなったということになります。すなわち、「安全余裕度」が大きくなったということです。

一方、ソロスは「ミスターマーケットの気分の変化を予測して利益を上げる」と言えます。将来起きることについて仮説を立て、その上で仮説が正しいかどうか判別するために少額の資本を投じて「市場の声を聞く」ことで仮説を検証します。ここで鍵となるのが、「再帰性理論」です。ソロスは再帰性理論で、ミスターマーケットの躁鬱的な感情の揺れを説明します(ソロスによれば、再帰性理論は市場の感情がいつ変わるのかを特定する方法となり、「市場の考えを読む」ことができる)。次の行動はミスターマーケットが仮説を肯定するか否定するかによって変化します。すなわち、ソロスが分析するのは「自分の仮説の質と事態の展開」となります。

投資の7つの大罪

著者は、23の成功する習慣の対極にある誤った信仰として、「投資の7つの大罪」を挙げ、これを否定しています。

  • 投資の大罪1 次にマーケットがどう動くか予測しなければいけない
  • 投資の大罪2 導師信仰
  • 投資の大罪3 インサイダー情報こそが大金を稼ぐ道
  • 投資の大罪4 分散投資 
  • 投資の大罪5 大きなリターンをとるためには大きなリスクをとる覚悟が必要
  • 投資の大罪6 システム信仰
  • 投資の大罪7 将来何が起こるのかわかっていると信じている

 成功する23の習慣

本書は上述した信念に基づき、「達人」と「負け犬」の違いとして「成功する23の習慣」を挙げていますが、ほとんど全員が「負け犬」の項目にどれかひとつは心当たりがあるのではないのでしょうか?赤字は特に私の心に響いた項目です。

  1. 最重要事項は元本を確保することだと信じている。それこそが彼の投資哲学の礎石である。 
  2. (習慣1の結果として)リスク回避的である。
  3. 自分の性格、能力、知識、好み、および目的に基づいて独自の投資哲学をつくり上げている。結果として、非常に成功している投資家の投資哲学は一つとして同じにはならない。
  4. 投資を学び、自分独自の銘柄選択および売買手法を開発し、実証している。
  5. 分散投資なんて小鳥のやることだと信じている。
  6. 税金(や取引コスト)を嫌い、合法的に税金を最小化するべく手段を講じる。
  7. 自分に理解できるものにだけ投資する。
  8. 自分の基準に合わない投資は拒絶する。合うもの以外には躊躇なく「ノー」と言える。
  9. 自分の基準に合った新しい投資機会をいつも探しており、自分自身で積極的調査を行う。自分の基準に合う投資対象が見つからないときは、見つかるまでいつまでも待てるだけの忍耐力を持つ。
  10. 決めたらすぐに行動する。
  11. うまくいった投資は、事前に決めた手仕舞う理由が現実になるまで手放さない。
  12. 神に従うがごとく自分のシステムに従う。
  13. 自分があてにならないことを意識している。間違いがわかったらすぐさま正す。その結果、損はほとんどの場合少しですむ。
  14. いつも間違いを学習経験として扱う。
  15. 経験を積めば積むほどリターンも高くなる。
  16. 今では金儲けのために過ごす時間は減ったように見える。「修行は積んだ」
  17. 自分が今やっていることはほとんど人に言わない。自分の投資意思決定について他人がどう思おうが気にしないし、心配もしない
  18. すべてではないにせよ、ほとんどの仕事を他人にうまく任せている。
  19. 稼ぎに比べてずっとつつましく暮らしている。
  20. 刺激と自己充足のためにやる。金のためではない。
  21. 投資のプロセスに深い思い入れを抱く(また自己充足もそこで得る)。個別の投資対象には思い入れを持たない。
  22. 一日中投資のことを考えている。
  23. 全財産をかけて投資をする。

投資家の3つの元型

著者によると、投資家には「アナリスト」、「トレーダー」及び「アクチュアリ」という3つの元型があり、彼らはそれぞれの投資哲学に基づき、市場に対してまったく異なるアプローチを取ります。

アナリストはウォーレン・バフェットに象徴される。賭け金を置く前に、ありうるすべての結果を注意深く検討する

トレーダーは基本的に無意識的能力で動く。この元型はジョージ・ソロスが典型であり、市場の感触に基づいて行動する。しばしば不完全な情報に基づいて、自分の「直感」を信じて断固とした行動を取る。いつでも急いで逃げることができると絶対の自信を持っている。

アクチュアリは数字と確率で勝負する。保険会社のように全体を通じての結果に集中し、個別の結果にはとらわれない。アクチュアリ的投資戦略は、おそらく、『ランダム性に騙されて』の著者ナッシム・ニコラス・タレブが代表例だろう。元々は数学者であり、現在では ヘッジファンドを運用している彼は、数百もの小額の損失を耐え忍び、そのうちやってくる大きな利益を待ち続けることができる。アクチュアリ的な発想に基づいて、彼は、そのときの利益が積み上がった損失を取り返してくれると知っているのだ。

印象に残った点

投資の達人の優れている点は、他の人に見えないものが見えるということではなく、見たものの解釈の仕方にある。加えて、自分が最初に思ったことを確認するために「もうあと数マイル」歩みを進めることを厭わない点にある。(163ページ)

間違いを犯すのは普通。間違いを繰り返すのは性格—作者不明(203ページ)

(ソロスの発言)他の人にとって間違っているというのは恥であるようだ。私にとって間違いを認めるのはむしろ誇りである。そもそも人間は物事を不完全にしか理解できないとわかってしまえば、自分の間違いを認めることは恥ではない。間違いを正せないことこそが恥なのだ。(205ページ)

能力の代わりになるものはありうるが、粘り強くやり続けることに代わるものはない。能力では代わりにはならない。能力があるのに成功しない人などいくらでもいる。天才も代わりにはならない。不遇の天才という言葉はほとんど決まり文句だ。教育も代わりにはならない。学のある落伍者も掃いて捨てるほどいる。粘り強さと決意だけが万能なのである。易経にも言う。忍耐に勝るものなし。(271ページ)

まとめ

 独自の投資哲学を持つ

本書は投資手法を扱った本ではなく、投資に対する姿勢を中心に扱っています。さらっと読み流す類の本ではなく、何度も見返すべき類の本だと思います。実際、私も投資を始めた初期に初めて読んで以来、何回も読み直しています。本書は自分の思考を深める示唆に富む内容になっていますので、読んでいない人にはぜひオススメしたい内容だと思います。

本書の中で、私が特に共感したのは、「習慣3の独自の投資哲学を持つ」です。達人は、「自分の性格、能力、知識、好み及び目的に基づいて独自の投資哲学を作り上げる。結果として、非常に成功している投資家の投資哲学は一つとして同じにならない」とされているが、私の場合で言うと(成功しているかどうかは定かではないが)、「国際情勢のアナリストを長い間やっていた影響もあり、企業を調べる際には定性的な要素を好み、また、中長期的な視点で物事を見る傾向にあるのではないか」と思いました。

最近、ふと思ったのですが、最初は勉強と称して様々な投資本を読み始めたのですが、今では趣味の範疇に入ってくるくらい読むのが楽しくなってきました(^ ^)

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