株式投資に目覚めた群馬の至宝

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16歳の合衆国

   

基本情報

原題:  The United States of Leland
ジャンル:  ヒューマンドラマ
上映時間: 104分
製作国: 2003年  アメリカ
監督・脚本:  マシュー・ライアン・ホーグ
出演:  ライアン・ゴズリング、ドン・チードル、クリス・クライン、ジェナ・マローン等

出典:amazon.co.jp

出典:amazon.co.jp

オススメ度:79点

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ストーリー

理知的な16歳の少年リーランド(ライアン・ゴズリング)は、ある日突然、恋人ベッキー(ジェナ・マローン)の弟ライアン(マイケル・ウェルチ)を刺し殺してしまう。逮捕されたリーランドは矯正施設に入れられるが、殺人の理由について何も語ろうとしない。作家志望でもある教官パール(ドン・チードル)は、彼の心を解き明かすことが本の題材になるのではと考え、リーランドのカウンセリングを始める。パールは、リーランドが愛憎を抱いている有名作家の父アルバート(ケヴィン・スペイシー)に話を聞こうと会いに行く。しかしリーランドと長く疎遠にしていたアルバートは、息子を全く理解していなかった。一方、哀しみに明け暮れるベッキーのポラード一家は、それぞれが心のバランスを崩しつつあった。一度は麻薬を断ち切ったはずのベッキーも、再びドラッグに溺れていく。家族を失った自分を救ってくれたポラード一家が崩壊していくのを目の当たりにした姉の婚約者アレン(クリス・クライン)は、その原因を作ったリーランドに激しい憎悪を燃やす。リーランドは、徐々にパールに心を開き、本音を語り始める。

予告動画

感 想

本作は映画好きを自負する人に是非見て頂きたい作品です。本作のテーマは、なぜリーランドがライアンを殺したのかということにつきます。少年リーランドと教官のパールの2人のやり取りをメインにストーリーが進みますが リーランドと彼女やライアンとの回想シーン、リーランドと彼女の家族の出来事など、様々なシーンへ話が飛ぶので注意深く見ていく必要があります。リーランドがライアンを殺したのは、端的に言えば「世界に絶望したから」だと思いました。この難しい役柄をライアン・ゴズリングが、丁寧かつ繊細に演じています。

驚かされるのは、リーランドは教官のパールとの会話の中で、「悪は善を確認するためのもの」、「善い行いの価値を感じるために悪い行いを犯す。あるいは逆なのか?」等、16歳とは考えられない哲学的な言葉を口にしています。こうした背景には、リーランドは世界的にも有名な作家である父を持つものの、父親は息子に興味を持たず10年も顔を会わせていなかったという環境も影響していたとみられます。そんな環境で育ったが故に、彼は繊細で思慮深く、感受性が豊か過ぎる結果として悲観的にしか物事を考えられなくなってしまったのだと思いました。そんな達観した視点で世の中を見ている彼は被害者となるライアンの気持ちまで読み取ろうとしていたのではないかと思われます。すなわち、ライアンは自分が同情や嘲笑の対象でしかないと知っていて逃げ場もなく苦しんでいると、勝手に思い込んでリーランドは悲しくなっていき、胸がはち切れそうになった彼は 不安を払うようにナイフを持ちだし無意識のうちにライアンを刺殺してしまったのではないでしょうか?

最終的には、リーランドは、教官のパールとの交流を通じ、世の中はネガティブなことばかりではないということを感じ、心を開こうと少しポジティブな気分になってきたところで物語が終わり、結局はネガティブな世界から解放されます。ドストエフスキーの小説を読んでいるかのような心の揺れ動きを感じ取れる本作品を製作したスタッフに敬服します。誰でも楽しめる作品ではないと思いますが、ヒューマンドラマが好きな人にはぜひ見て頂きたい作品のひとつです。

 - ヒューマンドラマ, 映画鑑賞