株式投資に目覚めた群馬の至宝

大化け株を掴みたい人生でした…

ビル・ミラーの株式投資戦略

   

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S&P500に15年連勝した全米最強の投資家

ビル・ミラーは、バリュー投資のコンセプトとバフェットの教えを、ニューエコノミー全般、中でもハイテク株に適用して成功したことで定評を得た人物です。本書は、彼の投資手法やハイテク株への投資に対するスタンス等について説明しています。

ビル・ミラーの投資原則

  • バリュー投資を基本とし、環境変化に応じて投資戦略を進化させる
  • 競争力のある銘柄を伸ばし、ないものは除いていく
  • 経済と株式市場について観察はするが、予想はしない
  • 優れたビジネスモデルを持ち、高い投資利益率をあげる企業を選び出す
  • 心理的要素で動く誤った考え方に翻弄されず、逆にそれを利用する
  • 本質的な価値と比べて大幅に割安な価格で企業に投資する
  • 最も低い平均購入コストで価値を得る
  • 15〜50銘柄に絞り込んだポートフォリオにする
  • 銘柄選択の正解率ではなく、ポートフォリオの利回りの最大化を目指す
  • 株を売却するのは、(1)株価が本質的価値に到達した時(2)よりよい投資先を見つけたとき(3)投資の根本的な考え方を変えたとき

印象に残った点

ミラーの考えるバリューの定義
私たちのバリューとは、まさに教科書の説明そのもです。投資形態にかんけいなく、投資が生み出す将来のキャッシュフローの現在価値がバリューなのです。PERが低いとか、キャシュフローに対して価格が安いということでは、バリューは測れません。実務家はこれらの数値を指標として使って、割安の株を見つけ出そうとしています。しかし、いつも指標として有効であるとは限らないのです。(15ページ)

過去は将来と結びつける
ミラーは利益と比べて株価の高い株を買うこともある。従来のバリュー投資家にはタブーだったことである。ある企業のPERが高いというだけでは、市場の価格が異常に高いということの説明にはならないとミラーは明言している。(中略)PERそれ自体は意味がありません。株の一つの要素を捉えるだけで、本質的な価値とはほぼ関係がありません。(92ページ)

多変数評価法
企業価値を判定するにあたり、「私たちは多変数評価手法と呼ぶ手法を使っています。つまり、企業価値を評価するために可能なあらゆることをするということです」とミラーは言う。「PER、PBR、価格対キャシュフローの比率を使いますが、独自の修正を行っています」「あらゆる比較検討によって、過去の指標が持つ意味を解明しようと努力します。最も重要なのは、シナリオ分析です。5年から10年の期間にわたって、さまざまなシナリオの下でキャシュフローの予想を行います。現在の成長率が継続するシナリオもあれば、それよりもずっと悪化するシナリオ、あるいはよくなるシナリオもあります。その上で、『企業価値の中心的傾向』と呼ぶものを見つけようとします。それぞれのシナリオは異なる結果をもたらしますが、それらがどのように分布するのかを考えます。ある価格に収束する場合、一定の評価幅に収まることに確信を深めることができます。」(108ページ)

まとめ

 ハイテク株への投資

ハイテク株への投資は、失敗する確率が通常よりも高くなる可能性に直面するので、失敗を早く認識して致命傷を避けることが大切になると思いました。しかし、この戦略の利点は、成功した場合、通常の小さな失敗を補って余りある大きな勝ち組を手にする可能性があるということです。こうしたハイテク株のような将来の不確実性が高い企業のリスクを限定するには、バフェットの言うところの安全余裕度を十分に取ること、その株式の保有割合を小さくすることで対応できると思います。さらに、ハイテク株と安定株を組み合わせることでも対応可能だと思います。実際、私もこうした方針に基づき、ハイテク株に少しだけ手を出すことがあります。ハイテク株で悔やまれるのは、まさに保有割合を少なくして、今年話題になったインフォテリアに目をつけていて、昨年3%ほど購入していたのですが、倍くらいになったところで売ってしまいました。今では6倍近く上がっています…

書籍自体の感想

ビル・ミラーについて書かれた本がほとんど手に入らない現状では貴重な本ですが、内容が少し薄いと思います。投資戦略等の説明にもう少し具体性がほしかったです。また、本書は250ページくらいの長さですが、実質的には70ページくらいで足りてしまうくらい回りくどい内容で、読んでいて少しイライラしました。とはいえ、ミラーのようにハイテク株に投資するのは難しいと思いますが、参考になる視点の提示も少なからずあると思います。

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