株式投資に目覚めた群馬の至宝

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原油価格の下落と米国によるロシア戦略

      2016/01/27

約12年ぶりに原油価格が20ドル台!

原油価格が下げ止まりません。2014年10月頃から下げ始めた原油価格は、約12年ぶりに1バレル30ドル台を割り込み、28ドル台をつけて原油価格下落に歯止めがかからない状況です。

中国経済の減速が注目を浴びていますが、原油価格の下落はもっと深刻です。

値下がりは一時的なものでしばらくしたら上昇するだろうと漠然と考えていたのが去年の今頃です。

市場では「1バレル20ドル台が10年近く継続する」という見方すらもあります。この異常ともいえる原油価格下落の原因は一体どこにあるのでしょうか?

なぜ原油がこれ程までに下げているのか?

主な要因としては、新興国の経済減速、米国のシェールガス増産等による供給過剰と需要低迷が挙げられます。

しかし、「米国によるロシア戦略」と「サウジアラビアによる中東戦略」が大きく影響しているのではないかと私は考えています。

米国によるロシア戦略

2015年12月、米議会はシェールガス革命を背景に、原油の輸出を本格的に解禁する法案を成立させ、オバマ大統領が輸出解禁に関する条項に署名しました。

新興国による経済の減速、石油輸出国機構(OPEC)によるシェア争い、原油大国のイランに対する経済制裁撤廃等、米国による原油輸出解禁を待たずとも、原油価格下落には歯止めがかからない状況にあると上述しました。

こうした中で、米国による原油輸出が解禁されたとなると、クリミア併合、ウクライナ干渉、シリアにおけるロシア軍の活動等の軍事行動で「強いロシア」を標榜するロシアを追い込むための米国の戦略ではないかとの見方が可能です。

サウジアラビアによる中東戦略

サウジアラビアとイランを中心とする中東戦略も原油価格下落に影響を及ぼしているとみられます。

サウジアラビア(スンニ派)は中東のライバルであるイラン(シーア派)の勢力拡大を抑えるとともに、イランが支援するシリアのアサド政権を背後から支援しているロシアを同時に叩くツートラック・アプローチを取っている可能性があります。

イランもロシアも国内経済が原油輸出に大きく依存しているため、原油価格の下落は国内経済に大打撃を与えます。

そこで、サウジアラビアはOPECで原油価格維持のための減産を拒否することで、原油価格の下落を容認してイランとロシアにダメージを与えようとしているとみられます。

ロシアと原油の関係

ロシア政府は予測原油価格を設定し、それを前提として予算編成を行っており、現在でも石油・ガス収入が歳入の50%を占めています。

また、原油価格下落時の歳入減少に備えて、原油価格の上昇による増益分を回収して蓄積するメカニズムを構築していることから、石油はロシア財政において不可欠の要因になっています。

そうした中、ロシアのシルアノフ財務相が1月13日、原油価格の下落を受け、当初計画していた歳入が見込めないことから、連邦予算の編成を見直し、歳出を削減する方針を表明しています。

ロシア政府は今年、原油の年間平均価格を1バレル50ドルと想定し、原油輸出税等からの歳入を見込んでいました。

今後、原油価格20ドル台が定着すると、石油関連の収入が半減してしまうため、ただでさえルーブル安で苦しむロシア経済に深刻な打撃となります。

原油価格が1バレル当たり1ドル下落すると、歳入が700億ルーブル減少すると言われています。

まとめ

こうした国際情勢と各国の思惑を考慮すると、今のところ原油や石油製品の価格上昇をもたらすであろう要因がみつからず、しばらくはこの水準が継続する可能性が高いのではないかとみられます。

そして、需給要因というよりも、米国やサウジアラビア等による外交戦略が原油価格の下落を招いている可能性が高いと考えられます。

原油価格下落による個別銘柄への影響は軽微であるとみられますが、今回の相場連れ安により、個別企業の動向とともに、世界経済の流れを把握するのも大切であると改めて強く感じたため、原油価格の下落原因についてグローバルな視点から私なりに考察してみました。

ロシアはこうした状況ですので、原油価格を引き上げるために今後中東で問題を起こしてきそうな感じも否定できませんので今後の動きに注目したいと思います。

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