最もパフォーマンスが良い投資家が最も下手な投資家である可能性も?

最もパフォーマンスが良い投資家が最も下手な投資家である可能性も?

偶然を実力と勘違いする人の特徴

投資家の能力を測るのにパフォーマンスを指標とすることがあるかと思います。

 

株式投資とは面白いもので、逆説的ではありますが、1番パフォーマンスがいい投資家が最も下手な投資家という可能性もあり、各人のパフォーマンスと投資家としての能力が必ずしも一致するものではないという側面があります。

 

どういうことかと言うと、任意の時点で市場を見渡してみると、1番成功している投資家とは、最近の市場サイクルに最も適応した人たちに過ぎない場合が多いということです。

 

言い換えると、たまたまそこにいた運のいい人の1人に過ぎないのです。

 

本当に上手い本物に見えたかもしれませんが、本物に見える偽物もたくさんいます。

 

偶然に大きく左右される環境で、たまたま成功した人もいて「まぐれ」と実力と勘違いして騙される人もいます。

 

いつ来るのかは誰にも分かりませんが、地面が割れるような阿鼻叫喚の下げが来た時に、ブログやツイッターからいなくなる投資家はたくさんいることでしょう。

 

もちろん、自分がその1人になっているかもしれません。

 

では、こうした偶然を実力と勘違いする傾向がある人はどのような特徴があるのかについて、以下見ていきます。

市場・銘柄分析の正確性を過大評価

自分の分析の正確性を過大評価する傾向にある人は、何らかの指標に基づく分析を行って投資した結果、これまで成功できたのは偶然かもしれないし、経済学的な分析そのものが過去に起きた事象に適合するように設計されているかもしれないとは決して考えません。

 

その結果、過去の出来事を左右した偶然の要素が見えなくなってしまいます。

 

投資に関わる指標なんてたくさんあるのですから、それを全部見ていけば、過去の事象や少なくとも事象の一部を上手く説明できそうなものが見つかるものです。

自分のポジション・意見に固執

「馬鹿と死者だけは決して自分の意見を変えない」(ジェイムズ・ラッセル・ローウェル)という言葉をがありますが、あまりにも意固地に自分の見方に拘泥していると相場を見誤るという意味です。

同様に、「下手なトレーダーはポジションよりも先に奥さんと離婚する(つまりポジションと結婚する)」、「出来の悪いアナリストは自らカバーする銘柄と恋に落ちる」といった格言がありますが、これはトレーダーやアナリストといったひとたちの「生態」をよく言い表した言葉だと思います。

 

周囲の意見を無視して自分の意思を貫く場面も必要となるケースもありますので、その中庸を探すのが難しいところです。

当初の投資戦略・シナリオを変更

短期的な視点で買ったはずなのに、損失が膨らむと「長期的には上がるから大丈夫」と口にしたりと、直近の株価の動きで短期投資家になったり長期投資家になったりする人がいます。

 

損をすると長期投資家になる人が多いですが、自己否定するのが嫌なので損切ってポジションを手放すことを先延ばしにしてしまう行動を取ります。

 

特に、信用取引でこれをやると甚大なダメージを受けますが、自分も含めてやってしまったことがある人も多いでしょう。

予想外に損失を計上した場合の投資戦略・シナリオがない

市場が急激に下がれば買い増しするが、事前にそうしようと決めていたわけではなく、下がったから買いという行動を取ってしまう。

 

これも下げたところを無計画にナンピンして生き延びた経験が多かったりすると、やってしまう傾向がある行動です。

自分の分析・戦略・シナリオを批判的に検討しない

自分の分析・戦略・シナリオが間違っているという可能性については考えずに、自分の分析を認めないで、市場が間違っていると考えてしまうこともあるかと思います。

 

当然、その分析が正しい場合もあるかもしれませんが、自分の分析・戦略・シナリオが間違っている場合に備えて余裕を持たせた対応を準備しているのとしていないのでは、仮に同じ結果に帰結したとしても意味が全然違います。

偶然を実力と勘違いする人が成功する理由

こうした成功する投資家とは相反する思考をする投資家が成功する理由こそが、まさに「偶然」という単純な原理であり、生存バイアスが形となって具現化したケースの一つと言えます。


生存者バイアスとは、脱落あるいは淘汰されていったサンプルが存在することを忘れてしまい、一部の「成功者」のサンプルのみに着目して間違った判断をしてしまうというバイアスのことです。

パフォーマンスが良い投資家を見ると、その人が上手いと思いがちですが、株式市場では全くの偶然で大儲けできることもあります。

 

市場のサイクルに乗って儲かったタイプが多いのですが、成功したのは、その市場サイクルにとても適応したやり方をできたということが大きいかと思います。

 

今の相場に当てはめれば、下げを積極的に買うタイプです。

 

よく言われることですが、アベノミクス以降は下げたら買うやり方が最も上手くいくやり方でした。

 

過去に大きな暴落を経験している思慮深い投資家の場合、恐怖感が生まれて積極的に行きにくいところ、経験値の浅い怖いもの知らずの新規参入組は、リスク管理という概念を忘れて買いまくって一気に大きな資産を構築することに成功し、本当は彼らよりも能力の高い思慮深い投資家よりも良い成績を上げていたりするのが今の相場だったりするかもしれません。

まとめ

人間の脳は原因と結果を単純化して把握する傾向があるため、成功した場合は、例えそれが偶然の結果であったとしても、そのことを認識しない傾向が強いとの指摘があります。

 

不確実性に対して人間が注意すべき点は、成功事例も何らかの形で偶然の結果であるにもかかわらず、それを自らの能力と過信することにより、その後のリスク対策を怠り、結果的に大損害につながることがあるということです。

 

誰しも、多かれ少なかれ運を実力と勘違いしている節があることは否定できないと思います。

 

自分なりに様々な思考を巡らせて投資をしているわけですので、その結果がとても偶然の結果だとは思えないし、思いたくないのが人間の心理ではないでしょうか?

 

こうした偶然や運が介在してくることを認めた上でも、本当に能力が高い投資家は見分けることは十分可能ですが、それはまたの機会に書きたいと思います。

 

株式投資は結果が全てではあるものの、1番パフォーマンスがいい投資家が最も下手な投資家という可能性もあり、各人のパフォーマンスと投資家としての能力が必ずしも一致するものではないところも奥深さや面白さを感じます。

 

「個人投資家は株で儲ける人は一握りで大半は損している」というのは事実か?

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