株式投資に目覚めた群馬の至宝

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ざっくり分かるファイナンス

      2016/01/25

出典:amazon.co.jp

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ファイナンスの入門書

あなたは会計とファイナンスの違いを答えることができますか? この問いに答えられなかった私みたいな初心者の方に是非読んでほしい入門書です。 本書では一番の違いは会計は「利益(企業の過去の業績)」を扱い、ファイナンスは「キャッシュ(企業が将来生み出すキャッシュフローという未来の数字)」を扱うことだとしています。

近年では利益重視の経営、ひいてはそれをもたらすような会計の限界が叫ばれるようになっています。 その理由の一つとしては、簿価が実際の価値とは異なるような会計的な手法はビジネスの実情にそぐわないからです。 従って、会計は企業の「過去」に視点を置いているのに対し、ファイナンスは「現在」から「未来」に視点を置いているという意味で、現在はファイナンスの重要性が高まっています。

印象に残った点

営業利益重視の時代
かつて、企業にとっては経常利益が重要だ、などといわれた時期がありました。しかし今では、営業利益が重視されるようになってきています。企業において「本業で儲ける力」を表す利益、それが営業利益だからです。(42ページ)

コーポレートファイナンスの3つの役割
要するに、ファイナンスとは投資に関する意思決定(投資の決定)と、その投資に必要な資金調達に関する意思決定(資金の調達)と、そして運用して得たお金をどう配分するかという意思決定(配当政策)、これら3つの意思決定に関わるもの。(中略)それでは、三つの意思決定の目的は何かというと、企業価値の最大化です。(66ページ)

負債の節税効果
表面上は5%の金利で借入をしていても、実は支払金利自体が経費として計上できるので、税金(法人税)がその分安くなります。ですから、税引後の実質金利は5%よりも下回ることになります。これが負債の節税効果です。(105ページ)

WACCを下げるには
ある企業のWACCが低いのは、その企業に対する投資家のリスク認識が低いということで、言い換えるならば、投資家はリターンをあまり高くは求めていない(期待収益率が高くない)ということです。(中略)実は、「WACCを下げる」ことこそがIRのミッションなのです。IRの役割は「ウチはこんな商品を開発しました」なんていう広告宣伝では決してないのです。ところが残念なことに、IRの担当者が、自分たちのミッションがWACCを下げることにあるのを理解していることはあまりありません。では、WACCを下げるためにはどうしたらいいのかーそれは、投資家のリスク認識を下げることです。それでは、投資家のリスク認識を下げるためにはどうしたらいいのかーそれには、適切な企業情報を適切なタイミングでディスクローズ(公開)するということが大切なのです。(109ページ)

EVAスプレッド
経営者の使命とは何か?これについては、いろいろ述べてきましたが、ひと言でいえば、WACC 以上のROIC(投下資本利益率:税引後営業利益を投下資本で割ることによって求めたリターン)上げるということに尽きます。(中略)利益の絶対額が増えたところで、その利益を上げるのにどれだけの投下資本が必要だったのかという議論なくして本当の意味でのリターンは分からないし、WACC以上のリターンを上げているのかどうかも分からないわけです。また、リターンをあげることばかりを意識するのではなく、調達サイドにも目を配る、つまりWACCを下げることを意識する必要があることはもちろんです。(118ページ)

まとめ

本書は学問的な話や関数などを使った小難しい計算式は一切なく、普通の読解力さえあれば最後まで苦労せずに読み進めて理解できると思います。

ざっくりわかるファイナンスとありますが、会計に関する基礎知識、お金の時間価値、企業の投資決定の判断基準等、ファンダメンタル分析を行う投資家の人は知っておいた方がいいと思う内容が満載です。 私はこの本を読んでようやくWACCの概念がきちんと理解できました。会計の本を読むよりも分かりやすい内容でした。

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