株式投資に目覚めた群馬の至宝

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さよなら。いつかわかること

      2016/10/24

基本情報

原題: GRACE IS GONE
ジャンル: ヒューマンドラマ
上映時間: 85分
製作国: 2007年  アメリカ
監督・脚本: ジェームズ・ストラウス (James Strouse)
出演: ジョン・キューザック(John Cusack)、シェラン・オキーフ(Shelan O’Keefe)、グレイシー・ベドナルジク (Gracie Bednarczyk)等

出典:amazon.co.jp

出典:amazon.co.jp

オススメ度:100点

ストーリー

シカゴのホームセンターで働くスタンレー(ジョン・キューザック)。家族は12歳とは思えない程しっかりしている長女・ハイディと、8歳の次女・ドーン、そして陸軍の軍曹で現在イラクに単身赴任中の妻・グレイス。父がいない時にこっそり戦争のニュースを見るハイディと、毎日母親と同じ時間に互いのことを想うという約束を守るドーン。スタンレーは母親を恋しがる子供たちとなかなかうまく接することができず、ぎこちなく食卓を囲む日々を重ねている。ある日、グレイスが亡くなったという報せがスタンレーの元に届く。突然の訃報に途方に暮れるスタンレー。幼い娘たちにどう伝えたらよいか分からないまま2人を外食に連れ出すが、真実を伝えることができず、衝動的にドーンが以前から行きたがっていたフロリダにある遊園地に車で行くことにする。父親の突然の行動を訝しがるハイディと無邪気に喜びはしゃぎまわるドーン。そして、夜中にこっそり自宅に電話し、妻の声で録音されている留守番電話の応答メッセージを聞くスタンレー。畑でロードレースごっこをし、ホテルのプールで遊び、ショッピングを楽しみながら、フロリダまでの距離と時間を共に過ごしていく3人は、徐々に絆を深めていく…。遊園地での至福の時を過ごした後、覚悟を決めたスタンレーは浜辺で娘たちと向き合った―。
出典:ワインスタイン・カンパニー

予告動画

出演者に関する情報

ジョン・キューザック

セイ・エニシング(原題:Say Anything…)、ハイ・フィデリィティ(原題:High Fidelity)等で主演のジョン・キューザックが主演。

ジョン・キューザックはこの他にも膨大な映画に出演している大人気俳優です。演技力が高いため、個人的にも大好きな俳優です。

クリント・イーストウッド

本作品は「硫黄島からの手紙」、「ミリオンダラー・ベービー」等で有名なクリント・イーストウッドが、自分の作品以外で初めて楽曲を提供した作品です。

この曲がこの作品ととてもマッチしており、優しい気持ちに包まれます。

感 想

イラク戦争の悲劇を描く作品であり、日々の生活で突然訪れる悲しみをひっそりと伝えています。

構成は父親と娘2人が一緒に旅をするという非常にシンプルな内容になっています。

ジョン・キューザックの演技力の高さ

私はこれまで何千本と映画を見てきましたが、この作品が現在のところ個人的に一番素晴らしいと思った作品です。

イラク戦争は大量破壊兵器がなかった以上、明らかな侵略戦争ですが、そうした政治的な解釈は別として本作品では、イラク戦争に派遣された兵士の家族の心情がとても繊細に描かれています。

この作品の質をここまで高めたのは、間違いなくジョン・キューザックの演技力の高さです。

そして、侮ってはいけないのが、娘役の2人で彼女たちの演技も素晴らしいです。

ジョン・キューザックは、主役でわりとスマートな役柄を演じることが多いですが、本作品では冴えない中年の夫役を演じます。

母親が家にいない娘たちとの接し方に苦心する姿、妻の死を自分でも受け入れられず、娘たちに真実を伝えられない苦悩の姿には胸が痛くなりました。

娘たちに母親の死を伝えられない苦悩

特に、グレースの死を受け入れられず、留守電を残したり、娘たちにどう伝えたらいいかわからないと相談するシーンや娘たちに気づかれないようにひっそりと一人で泣くシーンは、見ていてこちらがつらくなるほどの演技力でした。

また、ジョン・キューザック演じるスタンレーは愛国心が高く、国のため、家族のためにも自分が出兵したかったにも拘らず、視力の問題で自分は除隊させられて任地に赴くことができないやるせなさ、妻が代わりに行かなくてはいけない恥ずかしさ等の負い目を感じていたため、イラク行きを巡って夫婦の間に溝が生じていたことを匂わす演出もあり、悲しみを誘います。

真実を捉える弟の発言

作品中にスタンレーの弟が出てきますが、現政権に対する批判的な意見を持っており、兄とは性格が対照的です。

そして、定職にもつかずフラフラとしていますが娘たちとの会話のシーンで、彼が真理をついた発言をします。以下、作品より引用。

it’s important that people have their own views based on an understanding of facts. But it’s also important not to trust the facts because most of them are lies. I don’t understand. Well, it basically comes down to a… gut thing. You just have to be open to allowing for a truth which differs from your own opinions, or else you’ll never actually see the truth at all.

対訳:事実をよく理解して自分の考えを持つことが大事なんだ。

でも、その事実の多くは真実ではないから、事実を疑うことも大切なんだ。

どういうこと?そうだな、理屈では説明のつかない気持ちが大切なんだ。

つまり、自分の考えと違う真実を受け入れる必要もあるんだよ。

そうしないと、真実が見えなくなってしまうから。  

これって、小学生が理解できるかは別としてかなり大切なことだと思います。

どこの新聞かは言いませんが、日本の新聞社も明らかに真実ではないことを平気で書いてますからね…

こういう批判的な思考を持っていないと新聞に書いてあるから正しいと思ってしまい、そこで思考が停止してしまいますからね。

作品のラストシーン

最後はグレースの墓の前で、下の子が「約束の時間」と呼んでいた母親と同じ時間にお互いのことを考える儀式を行うアラームの合図とともに、作品が終わりますが、これほど綺麗な終わり方をした作品を私は知りません。

登場人物の心情を描く、ヒューマンドラマでここまで上手く感情を描写できている作品は少ないです

また、同作品は戦争作品でもありますが、家族の心情に焦点を当てているため、戦闘シーンもグレースすら一度も登場しません。

スタンレーが意を決して娘たちに真実を伝えるシーンでは、音声がなく映像だけで伝える画面に切り替わりますが、容易に内容を想像でき、本当に素晴らしい作品には言葉はいらないのだなと感じました。

本作品は今まで見た作品で一番だと思うのですが、ただ、邦題の「さよなら。いつかわかること」の翻訳については酷すぎると感じました。

作品から学ぶ英語表現

Do you wanna play tug? You are it.

対訳:鬼ごっこする? 君が鬼だよ。

この場合のitは指示代名詞ではなく「鬼」の意味になります。

こんなの使わないと思うかもしれませんが、私は大学受験の過去問でこの表現に出会いました。

It basically comes down to a…gut thing.

対訳:理屈では説明のつかない気持ちが大切なんだ。

comes down to〜は「結局〜になる」という意味です。

gutはここでは「上手く説明できない感覚・気持ち」を意味し、会話表現ではよく使われます。

 - ヒューマンドラマ, 映画鑑賞