成功は生まれつきの才能か、積み重ねた努力によるものか?

成功は生まれつきの才能か、積み重ねた努力によるものか?

得意なものと好きなもの

私は新しい本を読みのも好きなのですが、気に入った本を何度も読み返す傾向があります。

 

「生き残りのディーリング」もそのひとつでして、これを読み直していてアドバイス99の「得意なものと好きなもの」の項目に目が止まりました。

 

そこで、今回は「生き残りのディーリング」を中心に「心理学者のアンダース・エリクソン教授の調査結果」及び「マルコム・グラッドウェルが提唱した1万時間の法則」にも触れながら、「得意なものと好きなものの関係性」について考えるとともに、「成功には生まれつきの才能か、積み重ねた努力のどちらが重要なのか」についてみていきたいと思います。

人の才能には「天賦の才」と「情熱」の2種類ある

人の才能には2種類あります。

 

第1の才能は、処女作にはその人の全てが表れているというような天賦の才です。

 

天賦の才がある人は生まれ持ったものだけで勝負できます。

 

第2の才能は、作品ごとにより完成度の高いものを創り出していく「好きこそ物の上手なれ」と言われる才能である情熱です。

 

この2つの才能両方に恵まれたものだけが、その分野で何らかの仕事を成し遂げるのです。

第1の才能:天賦の才

第1の才能、天賦に恵まれた人は、その才能を生かせるものに巡り会えたなら、早い時期にその才能が開花します。

 

しかし、多くの若い才能が感性を待たずして消えて行くように、また、世の中に1発屋がゴロゴロいるように、天賦の才というのは磨かれることなしには、本物にはなれずに終わってしまいます。

 

天賦の才だけがある人は、自分が持っている優れたものに情熱が持てないことが多いため、うらやましいようでもあり、気の毒でもあります。

第2の才能:情熱

第2の才能は情熱です。

 

何かに情熱を傾ける。

 

苦労を苦労とも思わず、努力を重ねる。

 

これもまた才能と言える能力でしょう。

 

天賦の才がなくて情熱だけの人や、下手の横好きの方が、天賦の才だけで情熱を持てない人よりも幸せです。

 

一見、才能がある方がうらやましく見えますが、情熱がある人は少なくとも自分なりには進歩があります。

 

何よりも努力を努力と思わずに、その努力が苦痛とはならないのが最大の強みです。

 

天賦の才がなくても、誰にも負けないだけの努力をする才能があれば、その分野でのプロになれることもあります。

生まれつきの才能か、それとも積み重ねた努力か?

生まれつきの才能か、それとも積み重ねた努力、どちらが才能を開花することができるのか?

 

フロリダ州立大学心理学部アンダース・エリクソン教授は「なぜどんな分野にも、超一流と呼ばれる人が存在するのか」という疑問から30年以上にわたり、スポーツ、音楽、チェスなど、あらゆる分野における「超一流」たちのパフォーマンスを科学的に研究してきました。

 

 

その研究結果として、「練習時間の差が、そのまま能力の高さに直結」、「人よりも優れた能力を得るためには、人よりも多くの練習を積むしかない」、「能力の差は練習時間の差で説明できる」との結論を出しました。

 

彼の調査の概要については以下のとおりです。

私はバイオリン科の教授に協力を依頼し、卒業後に世界トップクラスのバイオリニストになることが確実な生徒(Sランク)、優秀ではあるものの世界で活躍する程の実力は持っていない生徒(Aランク)、そして教員コースに進んだ生徒を、それぞれ10人ずつ選出しました。

そして、彼らがバイオリンを習い始めてから今まで、一体どれほどの時間を練習に費やしてきたのかを徹底的に調査したのです。

すると、3つのグループの間で、18歳になるまでの練習時間の合計に、大きな差があることがわかりました。まず、教員コースに入学した学生は、18歳になるまでに平均で3420時間の練習を積んでいました。これは、趣味でバイオリンを弾いている人とは比較にならない程の練習時間です。しかし、Aランクの学生はそれをさらに上回る5301時間、そしてSランクの学生は7410時間もの練習を積んでいたのです。

ここで注目すべきなのは、練習時間の差が、そのまま能力の高さに直結しているところです。彼らはみな、ドイツ最高の音楽大学に合格した、才能ある音楽家たちです。そうしたハイレベルな人たちの中でも、練習時間の差が、そのまま能力の差に繋がっていたのです。

また、彼らの中には、比較的少ない練習時間で高い能力を獲得することができた、いわゆる「天才」は一人もいませんでした。つまり、人よりも優れた能力を得るためには、人よりも多くの練習を積むしかない、ということです。

その後、ダンサー、テニスプレーヤー、数学者、チェスプレーヤーなど、対象を変えて同様の研究を行いましたが、やはり結果は一貫しており、「能力の差は練習時間の差」で説明できることがわかったのです。

1万時間の法則

1万時間の法則とは、才能と努力を語る文脈でよく出てくる法則ですが、アンダース・エリクソン教授の調査結果をもとに、どんな分野でも傑出した能力を身につけるためには約10年もの時間をかけて1万時間におよぶ練習を積み重ねる必要があることを説いた法則で、マルコム・グラッドウェルが著書「Outliers 天才!成功する人々の法則」で提唱した法則です。

 

世に天才と呼ばれる成功者も実は「才能」+「努力」で成し遂げたことを検証しています。

 

ちなみに、1万時間とは、毎日3時間の努力でおよそ10年、毎日10時間の努力でおよそ3年かかります。

まさに、「石の上にも3年」と言われる由縁でもあるのでしょう。

「生まれつきの才能」など見つかっていない

私たちは、優れた能力を持ち、他を圧倒する「超一流」の人たちを目にすると、ついつい「あの人は生まれつき才能に恵まれていたんだ」と思ってしまいます。

 

しかし、これまでの研究では、「トッププレーヤーに共通の遺伝的特徴」など一つも見つかっておらず、ゆえに「生まれつきの才能」といったものが存在するエビデンスは一切ないとの指摘があります。

 

つまり、私たちには、「スポーツの才能はこれだけ、勉強の才能はこれだけ」といった生まれ持った能力の限界値などないということです。

 

能力を伸ばすには意味のある練習を積み重ねるしかありません。

 

しかし、それは裏を返せば、私たちは誰でも、意味のある練習を繰り返すことによって、周りの人から見れば「生まれつきの才能」にしか思えないほどの、傑出した能力を獲得することができるということを意味しています。

まとめ 得意なものと好きなことが一致することは稀

アンダース・エリクソン教授の研究結果とは逆に、個人的には生まれ持った才能は厳然として存在すると思っています。

 

他方で、別に能力やセンスなんてなくても、結局は努力が苦にならないほど楽しいと思えて何年も継続できる人が最終的には成功できる人だとも思っています。

 

天賦の才があって情熱を持った人こそが、その分野でトップになれる人ですが、人より優れたセンスや才能がある人は、何でも努力せずに簡単に出来てしまうので飽きてしまったり、情熱を持つことが出来ないことが多く何年間も情熱を保てないと考えるからです。

 

他方で、情熱があれば良いかというと、好きで努力を継続できる人だから成功できるというほど甘い世界ではないのが株式投資の世界だと思います。

 

努力がそのまま成果に反映される世界もありますが、必ずしも努力が報われないフィールドもあります。

 

また、自分が「得意なもの」と「好きなこと」が一致していれば言うことなしですが、これが一致することは極めて少ないのが普通です。

 

概して、得意なものとは「先天的」なものであり、好きなことは「後天的」なことが多いです。

 

人は生まれつき得意なことはありますが、好きになるのはその人が属する環境や出会い、タイミングによって変わってきます。

 

もちろん得意なことでも嫌いなことはありますし、好きなことだからとはいえ、それが得意なこととは限りません。

 

 

桁外れの結果を残したいと渇望するほどの何かがあるなら、1万時間熱心に練習すれば大抵は成し遂げられるのですから、それは茨の道に違いありませんが、自らの決意次第で主体的に切り拓いていける道でもあります。

 

株式投資の世界も、こうした強い意思を持って努力を継続できる人が成功できると良いものです。

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