集中投資と分散投資の終わらない論争

集中投資と分散投資の終わらない論争

分散投資派と集中投資派

あなたは分散投資派ですか、それとも集中投資派でしょうか?

 

当然、これに関しては正解はありません。

 

各人の考え方や投資哲学などで変化していくと思いますし、実際、歴史上の偉大な投資家たちですら集中投資で成功した人もいれば、分散投資で成功した人もいます。

  • 大型株か小型株を投資対象としているのか?
  • 資産にレバレッジを効かせているか否か?
  • 株以外の他金融資産があるのか?
  • 兼業投資家なのか専業投資家なのか?
  • 各種収入と資産規模はどの程度なのか?
  • 短期投資なのか長期投資なのか?
  • 会社固有のリスクはどの程度見えているのか?

 

各人の考え方や投資哲学を踏まえた上で、これらを全て総合的に判断した結果での決断になります。

 

身近なところでも、ブログやツイッターを見ていると、分散投資なのに集中投資の人よりもパフォーマンスが良い人もいますし、逆に分散投資なのに集中投資よりリスクが高い投資をしているように見受けられる人もおり、個人的には集中投資だからリスク高いとか分散投資だから安全といったことはないと考えています。

 

唯一言えるのは、分散投資は資産を減らさないことを最上位に掲げたやり方であり、集中投資は資産を増やすという目的を最上位に置いているということくらいでしょうか?

 

そんな私は株式投資においては現在、ほとんど1銘柄に対する”集中投資”を行なっています。

 

今年の2〜3月の下げにビビって一部出金した影響もないとは言えません()

集中投資とは?

「長期にわたって、平均を上回るリターンをあげる見込みの高い株式を少数だけ選び出し、投資の大部分をそこに集中する。そして、市場が短期的に萎縮しても、じっくり保有していられるだけの豪胆さを持つ」ということに尽きます。

 

バフェットは「あなたが行うどの投資も、少なくとも投資総額の10%をその株式に配分する勇気と確信を持たなくてはならない」と述べています。

 

また、ピーター・リンチも「個人投資家ならば5銘柄程度に投資をすべき」と話しており、「株式市場では、確かな1銘柄はよく分からない10銘柄に優る」と集中投資を推奨しています。

 

バフェットによる集中投資のゴールデン・ルール

  • 強力な経営者が率いる優れた企業に投資を集中せよ。
  • 自分が本当に理解できる数の企業に限定せよ。10社というのは適切な数で、20社を超えると問題が生じる。
  • よいと思う企業のなかでも、最もよいと思う企業を厳選し、そこに投資の大部分を集中せよ。
  • 長期的に、短くても5年から10年で考えよ。
  • 様々な変動はつきものである。かまわず進め。

集中投資の注意点

  • まず最初に、そして常に企業の一部を所有するつもりで喜んで株式に取り組む気持ちになれないときには、市場に近寄らないこと。
  • あなたの所有する企業とその同業者について、その企業や産業についてあなたほどよく知っている人はいないと言えるほど詳細に研究する準備をしておくこと。
  • 少なくとも5年間は投資を続けるつもりでなければ、集中投資を行わないこと。もっと長い期間であればさらに安全になる。
  • ポートフォリオの資金を借り入れで賄わないこと。借金をしなくても十分な速さで目的に到達できる。ポートフォリオをどんなにうまく調整しても、突然に借り入れの返済を求められれば、挫折してしまうことを忘れてはならない。
  • 集中投資を運営するための適切な気質、性格を持っている必要があると理解すること。投資と投機に明らかな違いがあることを忘れてはならない。

強い忍耐力が必要

集中投資は、幅広く分散して売買を繰り返す手法の対極にあります。

 

すべてのアクティブ運用のなかで集中投資は長期にわたってインデックスを上回る可能性が最も高いですが、この手法では他の人たちが先行して利益をあげているときにも、集中投資を採用した人は我慢してポートフォリオを保有する必要があります

 

また、この手法を使うと、ボラティリティーが大きくなることは避けられません。

 

少数の企業に集中投資したポートフォリオを持つということは、1社の株価の変化がより目につくようになり、全体に与える影響もより大きくなります。

 

集中投資には株価の変動という副作用があり、集中投資を行う者は、株価変動を気にしてはいけません。

 

というのは、長期的に見れば企業の基礎的な経済的条件が、短期的変動とは関係なくいずれは株価に反映されるからです。

 

心を平静に保ち、過度の深読みをせずに大きなボラティリティーに耐える能力を持つことが、究極的に成功を収める鍵になります。

分散投資についてのバフェットの考え方

金融の世界で昔から言い伝えられている「卵は一つのカゴに入れるな」という分散投資を推奨する話はあまりにも有名ですが、これは手持ちの卵(資産)を 全て1つのカゴに入れてしまっていると、そのカゴを落とした時に全部割れるリスクがあるので危険だであるので、すべての卵を失うリスクを回避する手段として卵を分けよう、つまり分散投資が一番良いという考え方に立脚した言葉です。

 

ひとつの企業に集中して資金を投入することはリスクが高いように感じますが、バフエットは「一見リスクが高いと思われる投資も、確率を勘案した利益が確率を勘案した損失を大きく上回っている場合には、実はリスクはあまり高くないのである」と述べています。

 

そして、ポートフォリオを集中する戦略は、投資を行う前に企業について集中して考え、経済的特性について安心感を持つという、本来やるべきことをやっていればリスクを低くできるのです。

 

すなわち、選び抜かれた少数の銘柄に意図的に集中することによって、それらをより深く調査することができ、実体価値をより良く理解できるのであり、その企業についての知識が深いほど、あなたが取るリスクは低くなるのです。

ケインズの投資方針

ケインズ経済学で有名な「ケインズ」も投資方針として集中投資を選択していたと言われています。

 

以下は彼の投資方針です。

  • 長期にわたり確実と思われる潜在的な「実体価値」と比較して割安であり、同時にその時点における他の選択肢よりも割安であるという条件に合う少数の投資対象を慎重に選定する。
  • どんなことがあっても、これらのかなり大きな投資を数年間はしっかり保持し続ける。手放すのは、予定した収益を達成したとき、あるいは購入したことが間違いだったと判明したときである。
  • 「バランスの取れた」投資ポジション、つまり個々の投資額は大きくても、リスクを多様化し、可能なら反対方向のリスクを持つ投資を併せて行う。

 

また、ケインズは「ほとんど内容を知らず、特に確信を持つ理由もない企業に投資を広く分散させることでリスクを限定できると考えるのは誤りである。人間の知識と経験には明らかに限界がある。個人として完璧に理解したと思える企業は一度にせいぜい2、3社を超えることはまずない」と述べています。

株価と企業価値の相関性

バフェットはかつて「私は1〜2年の間、株式市場が閉鎖されても気にならない。いまでも週末には市場は開いていないが、別に困ることはない」と発言していました。

 

事業内容が優れていると私たちが正しく評価した株式を、市場が正当に評価してくれると信じられるでしょうか?

 

バフェットによると、答えは「信じられる」と言えそうです。

 

株価と企業価値との結びつきは、時間とともに強くなります。

 

従って、株価が追いつく前に企業価値を見分けることのできる人は、その抜け目のなさで利益を得ることができる有利な立場にあるといえます。

まとめ

私がバフェットから学んだ一番大事な教えは「分散投資」ではなく、「集中投資」の大切さです。

 

一見、ひとつの企業に資金を集中させるのはリスクが高いと考えがちですが、誰にも負けないくらい調べ上げた会社に集中投資する方がリターンも高くなるし、リスクも低くなるというのは逆説的ではあるものの、正しい考え方だと思います。

 

私のように株式運用資金が1億以下の弱小段階では、特に有効度が高い戦略だと思いますが、人によってどの程度から集中なのかの基準も異なってきます。

 

私は1億以下なら2〜3銘柄くらいが集中投資という基準です。

 

1億を超えても2〜3銘柄くらいの集中でいける人の精神力は尊敬しますが、そもそも普通は2桁億まで稼ぎたいと思う人はそこまで多くなく、このあたりで満足してディフェンシブな運用を心掛けるようになり、集中投資で増やしてきた人も適度に配当や優待目的の保有も増やしつつ分散投資に移行していくパターンが多い気がします。

 

確かに1〜2銘柄への集中はリスクが高いと考える人もいるでしょうが、銘柄への分散ではなく時間軸をずらして分散するというやり方もできますし、不動産で守って株は集中投資で攻める資産アセットの分散というやり方もあると思います。

 

ただし、集中投資するには、周囲が順調に増やす中でのヨコヨコ期間を耐えられる精神力、日々の大きな株価変動に耐えられる精神力、当然失敗する可能性もあることから、失敗を受け入れて立ち直れる精神力、とにかく強いハートがない人はやってはいけないとも考えています。

 

私は銘柄への分散ではなく、時間軸の分散と資産アセットの分散というやり方で資産を増やす戦法をしばらく継続していくと思います。

 

ただし、こうした時間軸の分散や資産アセットの分散を行なっていることを踏まえると、私が株式投資でやっている1銘柄への”集中投資”は果たして集中投資と言えるのか?という疑問も残ります。

 

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