個人投資家の年収、投資額、金融資産【2017年〜2018年の変化】

個人投資家の年収、投資額、金融資産【2017年〜2018年の変化】

個人投資家の年収、投資額、金融資産に関する日本証券業界の調査結果

自分以外の投資家がいくらくらい投資しているのか? あるいは、金融資産をどのくらい保有しているのか?

 

気になる方も多いかと思いますが、今回は日本証券業界が算出している個人投資家の証券投資に関する意識調査を基にみていきます。

 

日本証券業界は、「我が国の個人金融資産が預貯金に偏在している状況を是正し、個人投資家による証券投資の促進を図るため、個人投資家の証券保有実態や証券投資に対する意識等を把握するとともに、 将来の資産形成に資する施策及び既存制度の利用促進のための施策の検討に際して基礎資料とする」ことを目的に調査を実施しているとのことです。

【調査概要】
1 調査地域:日本全国

2 調査対象:日本全国の20歳以上の証券保有者

3 サンプル数:5,000人

4 調査日:2018年10月1日

個人投資家の年齢層と年収【2017年〜2018年の変化】

年齢層と年収(2017年)

年齢層と年収(2018年)

2017年から2018年の変化を見てみると、

 

同世代の20〜30代の投資家は2017年の8%から12.6%と4.6%上昇する中、過半数を超える55.3%が60歳以上のシニア層となっている現状に変化はありません。

 

年収300万以下が49%から45.4%と3.6%減り、もう少し枠を広げた、年収500万円以下も73%から69.2%と3.8%減少しました。

個人投資家の投資額【2017年〜2018年の変化】

投資額(2017)

投資額(2018年)

投資額(株式に限らず、金融商品保有額)について、比率が多い順に見ていくと、

  • 最も比率の多かった100~300万未満の投資は2017年の25%から2018年は19.4%に減少
  • 2番目に多かった1,000〜3,000万が15%から14.9%とほぼ変化なし
  • 3番目に多かった500〜1,000万が15%から14%に減少

 

2017年は75%が保有額わずか1,000万円未満と衝撃の少なさでしたが、2018年は76.1%とわずかながら拡大しました。

 

株式に限定すると、500万円未満の株式保有が2017年は73%でしたが、2018年は71.2%にわずかながら減少しました。

 

3000〜5000万未満、5000万以上の最多カテゴリーは2017年がそれぞれ1%でしたが、2018年はそれぞれ2.7%と保有額の多い層はわずかに増加しました。

日本証券業界の調査結果の調査結果を見てどう感じたか?

母数が5000とサンプルが少な過ぎることを差し引いても、毎年同じような結果が出ていることを踏まえると、実際の投資家像とはこのようなものなのでしょうか?

 

ブログやツイッターをやっている人からすると、71.2%が500万未満の投資額であり、1000万以上が15.9%しかいないという統計は、あまりにも信じがたいものであるかもしれません。

 

この統計を信じるとするならば、20〜30代で3、000万円くらい持っていれば、お金持ちの部類に入るのですが、ツイッターやブログを見ていると、それくらいは普通で、億を超える人がゴロゴロいるように感じます。

 

しかしながら、私を含めてこのように感じる人は、基本的に上手い人を中心に見ていているため、パフォーマンスが良く成功して生き延びている人しか目に入ってこないケースが考えられるのではないでしょうか?

 

言い換えると、失敗した人がサンプルに入ってこないので、自分がそれなりのパフォーマンスを出していても、成功している人しか見えていないが故に、相対的に自分が全然成功していないように感じてしまうことがあるということです。

 

普段見ているパフォーマンステロが大好きな生き残っている強者だらけの狭いサンプルを見て、全体の中で自分がどのくらいにいるのかという立ち位置を判断するのは極めて困難です。

 

また、それがために、自分より儲けている人を見て情緒的にとても苦しい思いをしてしまう人もいるかもしれません。

 

実際は、相対的に見て十分な資産額に到達していても、もっと上の層の人ばかり目につくので(自分が意識的にそういう人しか見ないようにしているだけだが…)、人によっては少なからず劣等感を感じてしまうこともあるでしょう。

 

また、運用額にもよりますが、普通は年間で20%程度利益を上げることができれば凄いことなのですが、ここ最近は相場が良かったということも相まって、20%以上を一定期間達成することに慣れてしまい、その結果として、そこが満足度を図る基準になってしまっている人も多いと思います。

まとめ 生存バイアスを忘れずに

このように、生存バイアスを無視して考えてしまう人は一定数必ず存在します。

 

意識的にそうしたことを考えない限り、我々は自分の目の前に見える情報に飛びつき、今回の調査のような普段目に見えない情報は無視する傾向があります。

 

生存バイアスがある場合、最も成績が良かった結果が1番目につき、負け犬は表には出てきません。

 

つまり、起こりうる可能性のある全てのシナリオの中から、その一つだけが偶然に実現しただけなのに、私たちはその事実を忘れてしまうのです。

 

サンプルを比較してある仮説を導こうとしても、そもそも成功して生き残った強者のサンプルしか考慮しないで行う場合が多く、意味のない結果になってしまうこともあります。

 

こうしたデータは、全体の中央値や平均は算出することができませんが、成功している強者の中という限定した範囲での中央値や平均は分かります。

 

そして、パフォーマンスが良い集団の分布の平均と勝ち組と負け組の無条件分布の差が生存バイアスとなります。

 

当然ながら、生存バイアスは当初の母集団の大きさに左右されます。

 

ある人が過去に利益を出したという情報は、それ自体では意味がありません。

 

知る必要があるのは、その人が所属している母集団の数です。

 

どれだけの成功者がいてどれだけの失敗者がいたか分からなければ、過去のパフォーマンスの有効性を判断できないからです。

 

こうした視点を持って、ブログやツイッターの成績や資産額を見ると見方が変わって来るかもしれませんね?

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