【財務諸表・決算書の読み方】株式投資に資する会計・ファイナンスの知識を獲得するオススメの本

【財務諸表・決算書の読み方】株式投資に資する会計・ファイナンスの知識を獲得するオススメの本

株式投資をやる上で会計・財務の知識は必要なのでしょうか?

 

今回の記事はそんな疑問を持っている方や、興味あるのでオススメの教材を知りたいと言う方に向けての記事です。

会計・財務(ファイナンス)の知識は必要なのか?

そもそも、会計や財務って具体的には何なのでしょうか?

 

ざっくりと定義すると以下のようになります

会計

会計とは、「決算書を作成するための基本理論」「企業会計原則をはじめとする基本ルール」です。

簡単に言えば「企業のお金が増えた理由や減った理由を記録することや記録するためのルール」といった感じでしょうか。

 

財務(ファイナンス)

「資金調達、資金運用及び資本構成等を管理すること」です。

簡単に言えば「事業活動に必要なお金を集めたり、どのように活用するかを考えて管理する活動」といった感じでしょうか。

 

バフェットがこうした知識は大事だと力説していたこともあり、 株式投資を開始した初期の頃には会計に強い経理関係の仕事している人たちのことをうらやましく思ったものですが、実際に試行錯誤していく中で、それよりも必要な能力がたくさんあることに気づきました。

 

バフェットのオススメ投資本をランキング形式で紹介しつつ名言・投資法・投資哲学を学ぶ

 

現在は、株式投資をやる上で求められる会計の知識は決算書の読み方や見方が分かるだけで十分で、専門的な知識は必要ないと思っています。

 

では、なぜ会計学が大事かと言うと、「企業は、株主や銀行から資金調達をし、利益の蓄積を元手に事業を展開し、顧客に付加価値を提供することで売上利益を上げ、それを再投資するというサイクルを廻している」ことを踏まえると、決算書を読めるようになることで、数字という言語を通じて会社の全体像を理解して今後について考察することができるようになるというのが必要になってくる理由です。

 

例えばPL(損益計算書)を読むことで、売上を上げるために何にどの位コストをかけたかがわかります。

 

BS(貸借対照表)を読むことで会社がどこから資金を調達し、資金を何で運用しているか理解することができます。

 

また、勘定科目間の関連性を理解することで会社の大きな動きを理解することができます。

 

例えばBSで棚卸資産及び短期借入金が増加し、PLで売上高が低下していた場合、「売上が下がった結果在庫が増え、運転資金が不足したため短期借入を起こした」という因果を含んだストーリーが考えられます。

 

他社の決算書と比較分析することで強み・弱みを把握し、株式投資の判断に資する材料のひとつになります。

 

ざっくりと言えば、この程度のことが分かるようになれば株式投資を行う上では十分であると考えています。

 

大事なのは、こうした知識以上に重要なのは数字をベースにした「思考力」です。

 

数字の推移に目を配ってその変動に気づき、変動の背景にある理由や原因に思考を巡らせることができるかということです。

 

全く初学の分野でしたので、こうした基本的な内容でさえ全体像をイメージするのに苦労したのですが、以下の本を読んで私は概要を掴むことができました。

会計の入門書:決算書がスラスラわかる財務3表一体理解法

会計の知識が全くない私には基本書と呼ばれるものも頭にあまり入ってきませんでした。

 

そんな中で出会った本がこの本です。

 

この本を読んで財務諸表がようやくイメージできるようになり、他の会計の本に進めるようになりました。

 

私を含めて今まで会計関連の本で挫折した方はぜひ本書を読んでみてから諦めてみて下さい。

 

筆者が提唱する財務3表一体理解法を使えば、物語を読み進めるように頭に入ってきます。

 

簿記や仕分けなどの細かい部分は除いて、会計の全体像を把握するのにはこれ以上ない良書であると思います。

 

私は最初にこうした全体像が見えずに会計関連の本を読んでいたので理解できなかったのだと思います。

財務3表一体理解法

同書は「会計の苦手意識がなくならないのは何故か?」という導入からはじまり、会計を理解するのに簿記を使わずに決算書を作っていく新しい会計の勉強法を提唱しています。

 

そして、「貸借対照表」、「損益計算書」、「キャッシュフロー計算書」からなる財務諸表のつながりを理解するため、会社を設立してその会社の取引を通じて実践的に理解できるような内容になっています。

 

自分が「漆器販売」の副業を開始したと想定し、読者は具体的なビジネスのイメージを持ちながら、取引ごとに財務諸表をひとつひとつ作る疑似体験をしていきます。

財務3表がイメージ可能

貸借対照表の資産、負債、純資産の部分が頭の中でイメージできるようになります。

 

この本を読んだ後に、今まで読んだ会計の本を読むと理解が全然違いました。

 

普通の会計関連の本は、ある程度会計の知識がある人向けに書かれているため、私のような本当の素人には難しく感じるのだと思います。

 

本書では小学生でも理解できるくらいわかりやすく説明してくれます。

 

難しい内容をこれだけわかりやすく説明するのは賞賛に値します。

 

この本を読む前は、例えば、自社株買いすると株価が上がる理屈についても理解できていませんでした。

 

「企業が自社株買いをするということは、自社の株式を「安い」と判断して購入しているのですから、自社の将来の業績に関して自信を持っているから株価が上がる」くらいのイメージでいる人もいるかもしれませんが、「自社株買いすると現金及び預金の項目が減少し、買い取った分だけ純資産の自己株式が減少する。純資産が減少するということは、ROE=純利益÷純資産であるからROEが上がる」という基礎的な理屈が分かるようになります

 

 

私は財務3表一体理解法で学んだので読んだことはないのですが、以下で示す本の方がストーリ仕立てで頭に入りやすいと言う人もいるので気になっています。

 

財務(ファイナンスの入門書):ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務

あなたは会計とファイナンスの違いを答えることができますか?

 

この問いに答えられなかった私みたいな初心者の方に是非読んでほしい入門書です。

 

本書では一番の違いは会計は「利益(企業の過去の業績)」を扱い、ファイナンスは「キャッシュ(企業が将来生み出すキャッシュフローという未来の数字)」を扱うことだとしています。

 

近年では利益重視の経営、ひいてはそれをもたらすような会計の限界が叫ばれるようになっています。

 

その理由の一つとしては、簿価が実際の価値とは異なるような会計的な手法はビジネスの実情にそぐわないからです。

 

従って、会計は企業の「過去」に視点を置いているのに対し、ファイナンスは「現在」から「未来」に視点を置いているという意味で、現在はファイナンスの重要性が高まっています。

 

本書は学問的な話や関数などを使った小難しい計算式は一切なく、普通の読解力さえあれば最後まで苦労せずに読み進めて理解できると思います。

 

ざっくりわかるファイナンスとありますが、会計に関する基礎知識、お金の時間価値、企業の投資決定の判断基準等、ファンダメンタル分析を行う投資家の人は知っておいた方がいいと思う内容が満載です。

 

私はこの本を読んでようやくWACCの概念がきちんと理解できました。

 

会計の本を読むよりも分かりやすい内容でした。

印象に残った点

営業利益重視の時代
かつて、企業にとっては経常利益が重要だ、などといわれた時期がありました。
しかし今では、営業利益が重視されるようになってきています。
企業において「本業で儲ける力」を表す利益、それが営業利益だからです。(42ページ)

コーポレートファイナンスの3つの役割
要するに、ファイナンスとは投資に関する意思決定(投資の決定)と、その投資に必要な資金調達に関する意思決定(資金の調達)と、そして運用して得たお金をどう配分するかという意思決定(配当政策)、これら3つの意思決定に関わるもの。
(中略)それでは、三つの意思決定の目的は何かというと、企業価値の最大化です。(66ページ)

負債の節税効果
表面上は5%の金利で借入をしていても、実は支払金利自体が経費として計上できるので、税金(法人税)がその分安くなります。
ですから、税引後の実質金利は5%よりも下回ることになります。これが負債の節税効果です。(105ページ)

WACCを下げるには
ある企業のWACCが低いのは、その企業に対する投資家のリスク認識が低いということで、言い換えるならば、投資家はリターンをあまり高くは求めていない(期待収益率が高くない)ということです。
(中略)実は、「WACCを下げる」ことこそがIRのミッションなのです。
IRの役割は「ウチはこんな商品を開発しました」なんていう広告宣伝では決してないのです。
ところが残念なことに、IRの担当者が、自分たちのミッションがWACCを下げることにあるのを理解していることはあまりありません。
では、WACCを下げるためにはどうしたらいいのかーそれは、投資家のリスク認識を下げることです。
それでは、投資家のリスク認識を下げるためにはどうしたらいいのかーそれには、適切な企業情報を適切なタイミングでディスクローズ(公開)するということが大切なのです。(109ページ)

EVAスプレッド
経営者の使命とは何か?これについては、いろいろ述べてきましたが、ひと言でいえば、WACC 以上のROIC(投下資本利益率:税引後営業利益を投下資本で割ることによって求めたリターン)上げるということに尽きます。
(中略)利益の絶対額が増えたところで、その利益を上げるのにどれだけの投下資本が必要だったのかという議論なくして本当の意味でのリターンは分からないし、WACC以上のリターンを上げているのかどうかも分からないわけです。
また、リターンをあげることばかりを意識するのではなく、調達サイドにも目を配る、つまりWACCを下げることを意識する必要があることはもちろんです。(118ページ)

 

 

銘柄分析のやり方・方法の鍵となる「思考力」・「論理力」・「感性」を養うためにはどうすればよいか?

投資関連の書籍カテゴリの最新記事